「自分だけの答えが見つかる13歳からのアート思考 」末永幸歩(ダイヤモンド社)

一気に読み終えました😊
13歳からの、と言うのは、このタイミングで美術嫌いの生徒が急増するということで、技術、知識偏重型の授業スタイルが元凶なのでは?ということみたいです(著者は美術教師)。確かに、役に立たない感はあったかなぁ。
かと言ってこの本が中学生向けということではなく、大人も十分ためになる本でした。私はというと、、、
アートに興味はあるけれど、アートの観方がわからない。美術館て建物が綺麗で落ち着くし好きだけど、作品をどう楽しめばいいのかわからない。特に暗い絵とか抽象画とか、部屋とかイスの絵とか。。。
これは素晴らしい!とビビビッとくる作品に出会えていないだけか?それもあるかもしれないけれど、そんな作品にはめったに出会わないだろうし、、、
と思っていたのですが、、、
著者は、アート思考を構成する「3つの要素」をアートという植物に例えています。このアートという植物は、地表に出た花(作品)、根本にあるタネ(興味、好奇心、疑問)、タネから生えている無数の根(作品が生み出されるまでの長い探究の過程)の3つからできていると言っています。タンポポの根のように、空間的にも時間的にもこの植物の大部分を占めるのは、目に見える花ではなく、地表に顔を出さない根の部分であり、アートにとって本質なのは、作品が生み出されるまでの過程のほうなのですと。
なるほどーー。美術館に展示されるほどの作品は芸術作品としての奥深さのレベルが違うのだろうなぁ。
本の中では、19世紀カメラが登場してから、20世紀に入りアートにしかできないことを模索してイノベーションを起こした6人の作品でいろいろなアートの見方を紹介しています。マティス、ピカソ、カンディンスキー、デュシャン、ポロック、ウォーホル、なんで上手に描けるだろうにわざわざそういうものを?と疑問に思っていたことが、スッキリしました。
どうしてこの作品が作られたの?どんな時代の中でどういう意味があってこの作品が名作と言われてるの?と言うのを知っていると面白いですね。
固定観念からの解放だったのですね。
MoMAにパックマンが所蔵されるところまでくると、アートはどこまで行くの⁈と思ってしまいますが💦
著者は作品をよく見て「アウトプット鑑賞」をすることをすすめています。アウトプット鑑賞というのは、作品を見て気がついたことや感じたことを声に出したり書き出してアウトプットすることです。本ではピカソの絵にダメ出しをするアウトプット鑑賞や、カンディンスキーの絵を見て出てきたアウトプットに対して「どこからそう思う?」「そこからどう思う?」という問いかけを組み合わせたりと、自分のものの見方、自分なりの答えを生み出すというアート思考を体験できる授業形式になっていて、とても勉強になりました。
作品を鑑賞するときに、アーティストがどんなことを考えて作品を作ったかはまったく考慮されなくてもいいんですね。なんだか、昔の異国の異性の人が描いた作品の意図なんて考えてもピンとこないことだってありますよね😅正直わかったようなふりをしてる人もけっこういるのでは?と思っていました🤫
音楽の鑑賞をするときは、多くの人は作者は何を表現したかったんだろうとかどう解釈するのが正しいのだろうかとか考えずに純粋に音楽だけに向き合っているのに、美術作品となると、作品の見方は作品の背景や作者の意図にだけあると考えられがちと。確かに、絵画はそういうふうに見ないといけないのかと思っていました😅もっと自由でいいんですね。
これから美術館に行くのが楽しみになりました😊
この本を読んで、では写実絵画は「写真でよくない?」という疑問も、、、あえて写実作品を描くのにも探究の根があるのですかね〜ホキ美術館とか行くとわかるんかしら😊
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コメント
探求心が旺盛で行動力があるkazuchanさん、どんどん進んでますね。やっぱり人間、自分が知らないものに対する好奇心、探求心と行動力が大切ですね。スポーツでもアートでも、やればやるほど、出来る人から見れば簡単な、一つのことをクリアーするのがなかなか難しく、それをやってる人のすごさがわかるようになりますよね。
イトマンスイミング時代につくったキャッチコピー、”たのしく およいで うまくなる”、”思ったときが はじめどき”って、なんでも一緒じゃないかな。
一流アートの鑑賞も、子どものなぐりがきのような絵をみるときも、自分をまっさらにして、自分が何を感じるかが大切なように思います。
たくさんいいものをみることをおすすめします。「目は一代」という言葉に、後から出会って、ストンと腑に落ちたことがあります。
カンジンスキーの規則的な色のリズムなんか、ちいたいくん好きかも・・・。ジャクソン・ポロックまでくると、”なんじゃあ こりゃあ!!”の世界ですが。横浜美術館は、現代アート中心の企画展が充実していて、お近くにあるので、おすすめです。
太田さん、コメントありがとうございます!
今ちょっと自分が描くよりも、観る方に興味が傾いています😊
去年は企画展いくつか観に行ってみましたが、勉強不足でちゃんと見れなかったのが残念です😅ゴッホ展最終日あたりなんてものすごい混雑💦
今年は落ち着いて観賞できるところ中心に行ってみようかなと思います。横浜美術館もチェックしてますよ😊